東美貴子

　既成の印刷物を用いた緻密なコラージュ作品を手がけてきた東美貴子が4年ぶりとなる個展を開催する。

　主に不要になった紙の製品を細かくぶつ切りにし、色の素材として収集し、像を描く東。不要とされるものによって描かれるのは、東の体験に基づいた私的な体験や私物が中心となっており、旅行先で拾った貝殻や種、魚の骨や、窓から入る光によって揺らぐグラスの影など、儚く、風化をたどるであろう物がモチーフに選ばれている。

　本展では、2年にわたり制作されてきた大型の作品を中心に、アンティークの古本の傷をたどった作品や、日々書き溜めているドローイングなど多彩な表現が集まる。