佐々木成美 個展「●」

　画家・佐々木成美の個展「●」がLOKO GALLERYで開催中。会期は5月9日まで。

　佐々木は1990年広島県生まれ、2014年東京藝術大学美術学部絵画科油画卒業。16年にナント芸術大学に留学し、18年東京藝術大学美術研究科油画専攻大学院を修了。主な受賞歴に、「アートアワード丸の内2018」高橋明也賞、メトロ文化財団賞（2018）、「トーキョーワンダーウォール賞」今村有策賞（2013）などがある。

　本展では、2019年の個展のテーマであった「向こう側」について、さらに推し進めた新作が展示されている。

　タイトルである「●」に、穴のイメージと天体のイメージを重ねた佐々木。その図像には、洞窟、集合的無意識に存在するアーキタイプ（元型）や、またそこへリンクするまでの意識の経路が込められている。

　作家は本展において、これまでと同様に絵画を主としながら、石や木などといった異素材とのコラージュ的な手法は踏襲しており、今作では見る者に超越的なものの存在を仄めかそうとしている。

　なお本展に合わせ、佐々木にとって「場所からイメージをそのまま正確に掬いとる行為」だという、ドローイングをまとめた小冊子が刊行される。