ダニエル・ジョンストン展

　ダニエル・ジョンストンは、無垢な表情をしたカエルのような生き物が印象的なジャケットの『Hi,How are you？』など1980年代から40枚以上もの音楽アルバムを制作し、そのシンプルで美しい楽曲はニルヴァーナのカート・コバーン、デヴィッド・ボウイなど著名なミュージシャンに影響を与えてきた。

　また、2005年にはその半生が綴られたドキュメンタリー映画『悪魔とダニエル・ジョンストン』が公開されるなど、アメリカのアンダーグラウンドの象徴としてその名を馳せてきた。

　ジョンストンは音楽と並行し、アートワークも継続して制作。作品内に登場するのは、1つ目の不気味な生物や悪魔、彼の永遠の恋人・ローリー、フランケンシュタインなどのモンスター、性と畏敬の対象としての女性、おばけのキャスパーやキャプテン・アメリカといったアメリカン・アイコンの数々だ。サイケディックな色使いで描かれた奇矯なこれらの生物は、彼の心の中の神話的世界観をダイレクトに投影し、各国でカルト的な人気を得てきた。

　日本で初となるヴィジュアル・アートのコレクション展となる本展では、カラー原画、モノクロ原画をはじめとした100点以上の作品や、活動初期の一本ずつダビングしたカセットテープなどのコレクションの数々を展示販売。孤高の鬼才・ダニエル・ジョンストンの魅力に触れることができる貴重な機会となる。