EXHIBITIONS

アメリカへ渡った二人

国吉康雄と石垣栄太郎

2017.10.07 - 12.24

国吉康雄 ミスターエース(部分) 1952 福武コレクション

国吉康雄 ミスターエース 1952 福武コレクション

国吉康雄 ここは私の遊び場 1947(昭和22) 福武コレクション

国吉康雄 自画像 1918 福武コレクション

石垣栄太郎 ボーナス・マーチ 1932 和歌山県立近代美術館蔵

石垣栄太郎 ハーレム裁判所のための壁画(部分) 1938(昭和13)頃 個人蔵

石垣栄太郎 自画像 1917 和歌山県立近代美術館蔵

 戦前のアメリカへ移民として渡り、太平洋戦争という困難な時期を挟みながら、画家として活躍した国吉康雄(1889-1953)と石垣栄太郎(1893-1958)を紹介する。

 国吉と石垣は、20歳に満たない若さで移民としてアメリカへ渡った。職に就きながら美術学校に通って画家を目指した2人は、1920年代から活発に作品の発表を始め、ほぼ同時代をアメリカで過ごしている。

 国吉はアメリカ画壇での評価を受け、戦後はホイットニー美術館にて現存画家として最初の回顧展を開催。アメリカを代表する画家として認められる。石垣は、生活や風俗を取り上げ、社会主義に傾倒するなかで様々な問題を告発する絵画も描いた。

 本展では、メッセージを巧みに画面に忍ばせ、象徴的な事物などによって語らせる国吉と、物事をありのままに描き出す石垣と、それぞれに作風は異なるが、日本人移民排斥や大恐慌、戦争など、アメリカ社会が激しく揺り動いた時代を生きた2人の足跡を辿る。