ジョルジュ・ビゴー展

　フランス人画家、ジョルジュ・ビゴーの展覧会が宇都宮美術館で開催される。

　西欧化する日本の風俗、明治期の日本の事件、揺れ動く世界情勢。ジョルジュ・ビゴーの名前を聞くと、切れ味の鋭い風刺画を思い出すことだろう。ビゴーの絵は、近代化の時代の日本の歴史とともに、私たちの記憶に刻まれている。

　フランス・パリからひと月以上も船に乗って来日を果たしたビゴー。かねてから遠くにある国に憧れを抱き、風刺画のいっぽうで、日本の風景や人々の素朴な暮らしを描いた美しい作品も残している。そこには、ビゴーが自国の人々や後世の私たちに見せたかった「古き日本」の姿を見出すことができる。

　時に厳しく、時に優しい目で日本を見つめたビゴー。17年以上も日本で暮らした芸術家はどのような人物だったのか。宇都宮美術館のコレクションを中心とした作品を通して、異国の友人との対話を楽しんでほしい。