EXHIBITIONS

カオスモス6 ― 沈黙の春に

2021.01.26 - 03.14

木村彩子 Yoyogi Koen 13 April(b) 2018 個人蔵 撮影=加藤健 Courtesy of the Artist

小野ハナ 傍らの乱気流 2018 作家蔵 撮影=加藤健 Courtesy of the Artist

アストリッド・コッペ Untitled #Z17_096 2017 © Astrid Köppe Courtesy of Yukiko Koide Presents

染谷悠子 土を慕い、草花鳴らし光こぼるる 2017 撮影=髙橋健治 © Yuko Someya Courtesy of Tomio Koyama Gallery / Koyama Art Projects

村上早 きのう 2020 作家蔵 撮影=加藤健 Courtesy of the Artist

 佐倉市立美術館は展覧会「カオスモス6 ― 沈黙の春に」を開催。本展には、小野ハナ、木村彩子、アストリッド・コッペ、染谷悠子、村上早の作家5名が参加する。

「現代美術の紹介」を運営方針のひとつとする佐倉市立美術館。1994年の開館時より、これを目的としたシリーズ企画「チバ・アート・ナウ」を実施し、千葉県の美術状況を紹介するとともに、わかりにくいとされる同時代の美術への理解を深める場を提供してきた。2003年からはこの取り組みを、出品作家を県外からも招くことで、より客観的な位置に視点を置いたシリーズ企画「カオスモス」へ移行した。

「カオスモス」とは、カオス(混沌)とコスモス(宇宙、秩序)を合体させた造語。様々な思想や様式が融合し、分裂していく今日の美術の状況を報告すると同時に、それらがどこへ向かっているのか、鑑賞者と一緒に考える企画を目指している。

 今回紹介するのは、生命や自然をモチーフとして自らの表現を追求する作家たち。2015年の毎日映画コンクールで「大藤信郎賞」を受賞した注目若手作家の小野ハナ、身近な自然環境を淡々と描き続けている画家の木村彩子、A4サイズの紙に動植物や菌類を思わせる半抽象形態を描くドイツ出身のアストリッド・コッペ、生命と自然とのかかわりを、和紙や墨、リトグラフインクなどを用いた独自の方法で描き出す染谷悠子、そして銅版画家の村上早は、痛みを伴う体験から紡がれた生命の物語を作品化している。

 新型コロナウイルスの感染拡大によって生活が一変し、これまでにない不安を感じているいまこそ、生命や自然とのかかわりを真摯に見つめる作家たちの表現にふれてほしい。