色彩世界へのいざない

　うらわ美術館は、マルク・シャガール（1887〜1985）の挿絵本『ダフニスとクロエ』を紹介する展覧会を開催。同館の「本をめぐるアート」コレクションより、『ダフニスとクロエ』挿絵の全点を展示する。

『ダフニスとクロエ』は、2～3世紀の古代ギリシャの詩人・ロンゴスの作とされる物語。シャガールによるリトグラフを付した挿絵本は1961年に刊行された。挿絵1点につき20色から25色も用いられており、シャガールのカラー・リトグラフ作品の傑作のひとつに数えられる。

　本展では、シャガールが描いた42場面すべての挿絵を展示し、そのカラー・リトグラフの全貌を紹介。シャガールの色彩と、古代ギリシャの牧歌的な物語が織りなす世界を堪能できる貴重な機会となる。