EXHIBITIONS

如鳩と沼田居 展

いのちの眼で見えるもの

2020.06.02 - 08.16

牧島如鳩 魚藍観音像 1952 足利市文化財団蔵

 牧島如鳩(まきしま・にょきゅう、1892〜1975)と長谷川沼田居(はせがわ・しょうでんきょ、1905〜1983)はともに足利出身の画家。

 如鳩は、ハリストス正教会のイコン画家として教会を荘厳するイコンを描くいっぽう、仏画を手がけ、さらにはキリスト教と仏教の図像を混交した他に類例を見ない作品を制作した。他方、沼田居は如鳩の父・閑雲に南画を、如鳩に西洋画を学んだ。1960年ころから視力が減退し、最晩年の10年間全盲となるも、描くことは生きることと等しく、筆を折ることなく人生をまっとうした。

 師弟の間柄にありながら作風も性格も異なった2人だが、如鳩においては神仏のダイレクトな感得、また沼田居においては失明という、人生の後半に大きな転機があったことに共通点を持つ。

 独自の図像により目に見えぬ神仏を描いた如鳩と、肉眼による「視力」に依拠しない前人未踏の画境を拓いた沼田居。本展では、両者の作品を展示し、足利が生んだ類いまれなふたりの足跡をたどる。

※足利市立美術館は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、5月31日まで臨時休館。これに伴い、4月18日から開催を予定していた「如鳩と沼田居 展 いのちの眼で見えるもの」の会期を6月2日〜8月16日に変更。最新情報は公式ウェブサイトまで。