フェムケ・ヒエムストラ「極限環境生物」

　オランダ出身のアーティスト、フェムケ・ヒエムストラの日本初個展が開催される。

　ヒエムストラは1974年オランダ・ザンスタットの自然のなかで生まれ育つ。将来は獣医、森林保護に携わることを考えていたが、最終的にクリエイティブな世界へ進むことを決め、ユトレヒト芸術学校でイラストレーションを学んだ。卒業後は、フリーランスのイラストレーターとして10年間活動。その独創的な作品はファインアートの世界でも注目されている。

　ヒエムストラは多くの作品で、太陽や動物を擬人化し、物語に基づく主題と暗いシュールな設定で描く。太陽が汗をかいている、蜘蛛が雫を集めるなど物語の先に展開がなく、その様子は自身の生まれ育った愛する自然そのもののように感じられる。さらに様々な言語のタイポグラフィを作品内に登場させ、古い絵本、雑誌の挿絵や表紙のような、ユーモアでポップな印象を与える手法も特徴だ。

　そのアンダーグラウンドなスタイルに魅了されるファン層を持つヒエムストラ。本展では、擬人化された月や太陽が登場する作品《New Shift》をはじめ、新作絵画約10点を発表する。