近藤亜樹

　近藤亜樹は札幌に生まれ育ち、東北芸術工科大学大学院の在学中に東日本大震災を経験。卒業後は東京に移ってシュウゴアーツで二度の個展を開催する一方で、震災をテーマとした作品をつくり続け、2014年には一年間絵画制作を中断。実写と油彩アニメを組み合わせた被災者への鎮魂とも言える映画「HIKARI」（2015）を発表するに至った。

　さらに、16年に三宿のシュウゴアーツ ウィークエンドギャラリーにて開催した個展「Artist」では、その頃までに音楽業界との関わりを通じて得た体験を反映した作品群が好評を博した。

　その近藤が昨年後半に初めて訪ねて魅力を知るようになった小豆島に移住。今回の30点余りの新作からなる展覧会は、近藤が東京と小豆島を行き来しながら出した、5年にわたる東京でのアーティスト生活に対する答えと言えるのかもしれない。