ジョーダン・カーウィック「FATAL PURITY」

　フランス在住のアーティスト、ジョーダン・カーウィックの日本初個展が開催される。

　カーウィックは1982年オーストラリア・メルボルン生まれ。2016年に画家として活動を開始。独学ながら天賦の才能を発揮し、ドイツ、デンマーク、ロンドンなどのグループ展で発表の機会を持つなど、これからの活躍が期待されている。近年の個展に「Sweep the leg, Johnny」（Pt. 2 Gallery、オークランド、2019）、「Diary of an Introvert」（Delphian Gallery、ロンドン、2018）など。

　カーウィックは主に、有機的な線で描いた満開の花をモチーフとした静物画を制作。多くは繊細な生花の傍らに、遊び心豊富な題名を示す本や音楽と関連する品々が配置されており、色とかたちの絶妙なバランスが伝統的な題材に新しさを与えている。いっぽう、朗らかな色彩とは対照的に陰気な煙草や処方薬がヴァニタスとして添えられていることで、日常のリアルさも醸し出す。

　MASAHIRO MAKI GALLERY（パリ）での個展と同時開催となる本展では、新作15点を発表。過酷でありながら幸福でもある、人生の矛盾を織り込んだ古典的な静物画をコンテンポラリーに表現する。