EXHIBITIONS

「水の三部作 2」 アブラハム・クルズヴィエイガス展

アブラハム・クルズヴィエイガス Autorretrato ciego ovolactovegetariano pero transgénico 2010 Photo by Estudio Michel Zabé, 2012 Courtesy of the artist and and kurimanzutto, Mexico City

アブラハム・クルズヴィエイガス Self portrait as a childish junkie living at the corner of Orizaba and Zacatecas Streetsjust after WWII| 2012 Courtesy of the artist and and kurimanzutto, Mexico City

 メキシコシティを拠点に活動するアブラハム・クルズヴィエイガスは、石や段ボール、バケツやプラスチックケース、廃材や鉄屑、また動物の排泄物や植物など、訪れた土地のローカルな素材を含むあらゆる素材を用いて、単体のオブジェから大規模な建築的インスタレーションまで多岐にわたる制作を行う。幼少期を過ごしたメキシコシティ郊外アフスコにおける「セルフ・ビルディング」運動や、密集したマーケットなどにみる「美的な乱雑さ(混沌)」をルーツとする作家は、自身の制作や作品のあり方を「Autoconstrucción(自己構築)」という言葉で表し、シリーズ化してきた。

 「The Water Trilogy(水の三部作)」は、2017年に3カ所で開催されるクルズヴィエイガスの一連の個展で、東京での展示はその第2章にあたる。本展では、日本で展開された建築運動「メタボリズム(新陳代謝)」や、イサム・ノグチの家具をインスピレーション源に、バックミンスター・フラーの「テンセグリティ」やフィボナッチ数といった自律的な構造概念を援用しながら、新作インスタレーションを組み立てる。また、抽象化されたローカリティのなかに、ワステカ地方の伝統音楽やチナンパ農法、ウーパールーパーなどの水辺の生物といった、豊かなメキシコの風土や文化も交じり合う。