川島慶樹「Twiggy Project」

　制作活動初期にあたる1980年代より「アート・ナウ」や「サントリー美術館大賞」などに選出され、異素材を組み合わせた有機的なフォルムの大型抽象彫刻で、高い評価を受ける彫刻家・川島慶樹。約30年にわたり、様々な素材を用いる中で、人や場所との関係性が作品とともに築かれていく状況にさらなる可能性を見出し、2016年より「Twiggy Project」の構想を立て始めた。

　本プロジェクトでは「作品に旅をさせること」をコンセプトに、人と出会い旅をするための彫刻作品《Twiggy》を制作。枝と花のパーツはコンパクトに運べるように、また空間に合わせた展示の柔軟性をも実現できる独自の設計を追求し、改良を重ねてきた。川島は《Twiggy》を、美術に特化した場所に限定せず、街の一角や山中の奥地まで、世界の至る場所で楽しめる作品とすることを計画しており、すでにスペインとイタリアで、その来訪を待つ人々がいるという。

　この「Twiggy Project」の幕開けとなる本展では、《Twiggy》30本をギャラリーの中庭に生け、華奢なシルエットが魅力の、ガラスの花の群生が満開になる。また展示室内では、切り花をイメージした《Twiggy snip lamp》をはじめ、最新作の数々を紹介する。