片山雅史 作品展

　1990年中頃までシカゴと京都を拠点に活動し、99年より福岡をベースに、視覚や記憶をテーマに国内外へ発信を続けるアーティスト、片山雅史。84年京都市立芸術大学大学院を修了後、A.C.C.（旧Rockefeller 3rd Found）の招聘により渡米し、95年には文化庁派遣芸術家在外研修員としてロンドン大学ゴールドスミス校に在籍した。作品は福岡市美術館、和歌山県立近代美術館、原美術館、インディアナポリス美術館、ホノルル美術館、パレスホテル東京、ワコールアートセンターなどに所蔵されている。

　活動初期は《風のなる日のために》と題された黒い筆致による抽象絵画を展開。その後、90年中頃に金地にシルエットの植物が描かれた「HANA」シリーズ、90年代後半に入ると視覚と記憶との関係に関心を持って制作された「皮膜」シリーズ、そして2010年以降は螺旋など主とした墨線の集積による絵画作品を発表している。

　本展は「螺旋／蜜色の森」がテーマ。片山の新たなオリジナル作品を中心に、美術館で発表した過去の代表作もあわせて約30点が一堂に並ぶ。