沢渡朔

　1940年東京生まれの写真家、沢渡朔。日本大学芸術学部写真学科在学中より写真雑誌などで作品発表を始め、日本デザインセンター勤務を経て、66年よりフリーの写真家となる。ファッション・フォトグラファーとして活動する傍ら、『カメラ毎日』をはじめ、数々の雑誌で作品を発表してきた。

　不思議の国のアリスを題材にした「少女アリス」（1973）や、イタリア出身のファッションモデルを撮影した「ナディア」（1973）などの傑作で日本の写真界に新風を吹き込み、その後も第一線で活躍し続けている。主な作品集に『NADIA 森の人形館』『少女アリス』『密の味』『60’s』など。

　本展では、ひとりの少女との出会いから生まれ、その後の沢渡の作品の方向性を決定づけた原点ともいえるシリーズ「跳んでごらんプルーネ」（1964）を公開する。