オードリー・フォンドゥカヴ

　フランス出身のアーティスト、オードリー・フォンドゥカヴの個展が開催される。

　フォンドゥカヴは2001年に日本に移り住み、以来長きにわたって東京で意欲的に表現活動を継続。初期の展示では、西洋の古典絵画や寓話など、身の回りの情報や既存の価値から別のイマジネーションを導き出し、ペインティングやコラージュ、インスタレーションなどの多彩な形式を用いながら、まったく新しいアイデンティティを発表してきた。

　近年は、これまでのヨーロッパ的なアプローチのみにとどまらず、来日前に影響を受けた東洋哲学にも再び関心を寄せ、自然物や心的現象をモチーフとしたより抽象的な要素を含む作品も制作。17年にわたる日本での環境や経験は、作家に多くの心境の変化をもたらし、制作スタイルにも一層自由で新鮮な試みが多く見られるようになった。

　本展では、オードリーが見つめるガーデンをテーマに、岩絵具や天然素材で描かれた最新の抽象画をインスタレーション作品と合わせて自然光のギャラリー空間に展開。また、天然木と真摯に向き合い、木の美しさを活かした端正で柔和な作品を生み出す注目の木工家、川合優とのコラボレーション作品も並ぶ。