川戸由紀

　「再現」をテーマに、謎めいた作品を制作する川戸由紀。渋谷や新宿などの街にある定点カメラの視点を再現した映像のシリーズや、パレードの再現シリーズ（刺繍）、自然の風景を再現した読めない地名とサインのシリーズなどを発表してきた。

　3歳からハサミを使い創作活動を始めた川戸は現在、社会福祉法人かれん「アートかれん」に所属。自閉症である川戸が、何度も反復しながら集中して制作した作品は、その小さな作品のサイズとは反対に大きなエネルギーを放っている。

　本展では特に完成度の高いパレードを再現した刺繍のシリーズをまとめて展示。アメリカのネズミのキャラクター風の動物人間たちと解説文字が並ぶ、謎に満ちた川戸ワールドを堪能できるだろう。