EXHIBITIONS
民俗写真の巨匠 芳賀日出男
伝えるべきもの、守るべきもの
約60年以上にわたって日本のみならず世界各地のさまざまな祭礼を撮り続けてきた写真家、芳賀日出男。民俗に対する独自の哲学に裏打ちされたその写真によって、単なる記録写真にとどまらない「民俗写真」の地位を確立させた。
芳賀は、1921年満州の大連(現・中国大連市)出身。大学受験のために初めて踏んだ母国の地で、その豊かな季節感に衝撃を受ける。慶應義塾大学に進学した芳賀は、カメラクラブに入り写真に熱中。とりわけ、折口信夫の講義は民俗学に開眼する契機となり、後の芳賀に大きな影響を与えた。
卒業後は、日本の年中行事を中心に撮影を続け、59年には丹念に稲作行事を追った『田の神』を出版。以後も精力的に各地の習俗を撮り続け、当初はなかなか認知されなかった民俗写真の第一人者として、1970年の大阪万国博覧会では「お祭り広場」のプロデューサーにも任命される。
本展では、これまで撮影された40万点にものぼる作品から、作家の原点ともいえる稲作儀礼を中心とする約30点を展示。あらゆる場所に宿る神々とともに生き、日々の恵みに感謝を捧げてきた日本の祭礼を確かな眼差しでとらえた芳賀の作品は、豊かで美しい自然への畏敬の念を改めて起こさせるだろう。
芳賀は、1921年満州の大連(現・中国大連市)出身。大学受験のために初めて踏んだ母国の地で、その豊かな季節感に衝撃を受ける。慶應義塾大学に進学した芳賀は、カメラクラブに入り写真に熱中。とりわけ、折口信夫の講義は民俗学に開眼する契機となり、後の芳賀に大きな影響を与えた。
卒業後は、日本の年中行事を中心に撮影を続け、59年には丹念に稲作行事を追った『田の神』を出版。以後も精力的に各地の習俗を撮り続け、当初はなかなか認知されなかった民俗写真の第一人者として、1970年の大阪万国博覧会では「お祭り広場」のプロデューサーにも任命される。
本展では、これまで撮影された40万点にものぼる作品から、作家の原点ともいえる稲作儀礼を中心とする約30点を展示。あらゆる場所に宿る神々とともに生き、日々の恵みに感謝を捧げてきた日本の祭礼を確かな眼差しでとらえた芳賀の作品は、豊かで美しい自然への畏敬の念を改めて起こさせるだろう。