AdvertisementAdvertisement
EXHIBITIONS

蔡云逸「Fall in the realms of Light」

2023.11.11 - 11.26

蔡云逸 Fall in the realms of light 2023

 KATSUYA SUSUKI GALLERYで蔡云逸の個展「Fall in the realms of Light」が開催されている。

 蔡云逸は1995年上海生まれ。2015年に上海交通大学を中退し、18年に武蔵野美術大学 造形学部基礎デザイン学科を卒業した。その後20年に東京芸術大学 大学院 先端芸術表現学科を修了、23年には武蔵野美術大学 大学院 博士号取得した。本展に際し、蔡云逸は以下のステートメントを発表している。

「見えないもの、不気味なものを魅力としてとらえ、美術表現において更なる展開を作品制作することで探究している。絵画の制作では、自分が見た夢を題材に選ぶことで、夢を見て記録したものを第三者の視点から観察するため、絵画のなかでふたつの視点が混在している。絵画を描くとき、私は自分を観察し、同時に観察されるという、ドッペルゲンガー現象に似た現象を自発的に起きる。このような制作方法を進めるなかで、これまで見えなかった多くのものを発見し、不安や疑問を抱えた気分のなかで、想像力をさらに働かせて、作品のなかに新たな物語を創造し、見えないものを探求していくようになった。

 不気味な感情に魅力を感じるのは、そのような感情が非常にリアリティーのある強い感情だからだ。夢は人が忘れがちなものであり、普段は注意を向けないが見えないもののなかで最も顕著な現象のひとつである。見えるものには限界があるが、見えないものを垣間見ようとすることは、より連続した世界に近づこうとすることであり、エネルギッシュな姿勢だと考える。現代人は科学的な視点に加え、脳と身体の性質によって、既存の世界観ですべてのものが見えなくても見えていると思ってしまう。その結果、退屈感、閉塞感に包まれている。

 不気味なもの、見えないものをきっかけに、新しい方法で世界とつながる機会に気づくことは、人間の知覚の可能性を広げ、再び世界を豊かなものとして知覚することができるようになるのではないかと思っている。ジークムント・フロイト(1856〜1939)のセラピーは、ファンタジーから現実を解放すると同時に、現実の基礎がファンタジーであることを認識することである。 それと似ていて、私の絵は、現実世界とあの世をつなぐ架け橋であり、夢の亡霊を蘇らせる魔法のようなものだ。21世紀の今、人間の想像力、あるいは人間の妄想がもたらす闇へのパラノイアは、最も真摯な知覚の探求ではないと考えている」。