石川直樹 個展「K2 / Broad Peak / Nanga Parbat」

　写真家・石川直樹の個展「K2 / Broad Peak / Nanga Parbat」が、渋谷のSAIで開催される。

　石川は1977生まれ。人類学、民俗学などの領域に関心を持ち、辺境から都市まであらゆる場所を旅しながら、作品を発表し続けている。最新刊に『Kangchenjunga』（POST-FAKE）、『Manaslu 2022 edition』（SLANT）などがある。

　2022年春から秋にかけて、石川は世界第2位の標高を誇るK2をはじめ、パキスタンとネパールにまたがって点在する6つの8000メートル峰への登頂に挑み、雪崩で撤退を余儀なくされたナンガパルバットを除いた5つの山の頂上に立つことに成功した。本展では、パキスタンにあるK2、ブロードピーク、ナンガパルバットの3山で撮影された作品を展示する。

「失敗したから消す、ということのできないフィルムカメラは、旅先における一期一会の出会いを、その状況ごとに克明に写しとることのできる手段だと考えています。高所登山において、フィルムの中判カメラを持っていく人は皆無で、そのことを一つとっても、抜き差しならない状況下における瞬間の光が、きっちり像を結んでいるのではないか、と信じています」と語る石川。高所登山においても一貫してフィルムの中判カメラを使用し撮影された作品は、極限の状況下で二度とないその瞬間の光景を、冷静に、そして正確に写し出している。

　なお本展は、表参道にあるGYRE GALLERYでの個展「Dhaulagiri / Kangchenjunga / Manaslu」（～2月26日）と、宮古島のPALI GALLERYで開催中の「Road to K2」（〜2月26日）と連動して行われる。