EXHIBITIONS
合田佐和子展 帰る途(みち)もつもりもない
生涯で作風を変化させ続けた高知出身の美術家・合田佐和子(1940〜2016)。その没後初となる大規模回顧展「合田佐和子展 帰る途(みち)もつもりもない」が、高知県立美術館で開催されている。
1965年の個展デビュー以来、合田はオブジェや絵画、写真などのメディアを横断しながら制作活動を展開した。69年以降は唐十郎や寺山修司による演劇の舞台美術やポスター原画を手掛けるなど、その表現はアングラが隆盛した時代の空気を体現するに至るが、90年代からはそれまでの退廃的な作風を脱ぎ捨て、内省に基づく独自の制作論の実践へと移行。合田の作品はパステル調の色彩に彩られ、まばゆい光に満たされていった。
男性作家が大多数を占めていた時代において、社会通念や因習にとらわれない自由奔放な暮らしのなかで花開いた合田の表現は、ファッションや映画、音楽などの領域と高い親和性を示し、様々な分野の表現者から熱く支持された。いっぽうで、同時代の美術動向や批評の言説からは距離をとり、ひとつのスタイルにとどまらずに繰り広げられた仕事は、美術の「正史」への位置付けが困難だったために個人的・趣味的なものと見なされ、正当に評価されてきたとは言い難い側面があるという。
本展では、初期のオブジェから初公開となる晩年の鉛筆画シリーズまで、300点を超える作品や資料を体系的に検証し、美術家・合田佐和子の全貌に迫る。
1965年の個展デビュー以来、合田はオブジェや絵画、写真などのメディアを横断しながら制作活動を展開した。69年以降は唐十郎や寺山修司による演劇の舞台美術やポスター原画を手掛けるなど、その表現はアングラが隆盛した時代の空気を体現するに至るが、90年代からはそれまでの退廃的な作風を脱ぎ捨て、内省に基づく独自の制作論の実践へと移行。合田の作品はパステル調の色彩に彩られ、まばゆい光に満たされていった。
男性作家が大多数を占めていた時代において、社会通念や因習にとらわれない自由奔放な暮らしのなかで花開いた合田の表現は、ファッションや映画、音楽などの領域と高い親和性を示し、様々な分野の表現者から熱く支持された。いっぽうで、同時代の美術動向や批評の言説からは距離をとり、ひとつのスタイルにとどまらずに繰り広げられた仕事は、美術の「正史」への位置付けが困難だったために個人的・趣味的なものと見なされ、正当に評価されてきたとは言い難い側面があるという。
本展では、初期のオブジェから初公開となる晩年の鉛筆画シリーズまで、300点を超える作品や資料を体系的に検証し、美術家・合田佐和子の全貌に迫る。