Sabrina Horak「私は山に登って, 決して後ろを振り返らない」

　SYP GALLERYは、オーストリア出身のアーティストSabrina Horak（サブリナ・ホーラク）による個展「私は山に登って, 決して後ろを振り返らない」を開催している。

　ホーラクは1983年生まれ。ウィーンで絵画を学び、東京造形大学に交換留学（2005〜07）。2017年に東京藝術大学美術研究領域博士課程後期美術専攻油画領域を修了した。

　ホーラクは作品のなかで主に自身を描いており、宗教、女性性、日本とオーストリアのハーフであること、アーティストであることなど、自分のアイデンティティとそれに影響を与える様々な要素について考察している。

　本展で発表する作品では、ホーラク自らの身体を「山」と見立て、自身に似た小さな人影がクライミングを繰り広げ、遠くを見つめながら頂上を目指し登っていくさまを描いた。それは、ホーラクの人生の道のりを象徴しているが、頂上には何が待っているのか、鑑賞者の想像にゆだねられている。