EXHIBITIONS

ACG eyes 7: Records − 佐々木類・新平誠洙・堀川すなお−

2022.08.20 - 09.17

佐々木類 植物の記憶 / Subtle Intimacy 2019 富山市ガラス美術館蔵 撮影=柳原良平

新平誠洙 Inversion2R 2021 機械設計・製作=乃村拓郎 撮影=来田猛

堀川すなお 左から《バナナ#552"バナナ#3.(28)F.観察;日本人#1"google翻訳、読み;ザンビア人/ザンビア共和国(23)#1F.2010-11》《バナナ#553"バナナ#3.(28)F.観察;日本人#1"google翻訳、読み;トルコ人/トルコ共和国(33)#1F.2010-11》 2020 撮影=前谷開

 ARTCOURT GALLERYでは、展覧会「ACG eyes 7: Records −佐々木類・新平誠洙・堀川すなお−」が開催されている。同ギャラリーが注目する若手作家を、気鋭の新作とともに取り上げるシリーズ企画の第7弾。

 佐々木類、新平誠洙、堀川すなおの3作家は、それぞれに一貫したコンセプトと手法によってモチーフに内在する時間や事象を「記録」し、多様な世界と人々との関係を日々探求しながら作品を制作している。

 本展では「Records」をテーマに、作品の内に蓄積されたユニークな「記録」にフォーカスを当て、身の回りにあるモチーフを知の系譜へとビジュアライズしていく3人の作家の表現の魅力を紹介する。

 大阪では本展が初発表となる佐々木類は、本展のために制作した「植物の記憶」シリーズを中心に約10点の作品を出展。板状のガラスに植物を挟み込み、高温の窯のなかで生育した土地の記憶とともに封印する同名シリーズを、佐々木は10年以上も継続して制作してきた。今回の作品で、出会いや時の移ろいを窓や庭の存在と重ね合わせつつ、ガラスの世界に身を投じた植物の表情で幻想的な空間をつくり出す。

 新平誠洙は、東京オリンピック2020開催を契機に手がけた「Inversion2」シリーズを展示。1936年ベルリンオリンピックの記録映像から引用した、ドイツの円盤投げの選手に五輪のフラッグを重ね合わせて描いた作品シリーズで、今回は絵画面を高速回転させフラッシュライトを当てながら見せるストロボスコープの原理を用いたバージョンを制作。臨場感あふれる絵画体験で知覚に揺さぶりをかける。

 堀川すなおは、「分かるとはどういうこと?」について考えながら約15年間にわたって観察し続けている、「バナナ」をモチーフに描いた約20点の新作絵画を発表。観察は様々な人種や年代の人々も交えて行われ、言葉や絵によって表現された情報をもとに、堀川は人間の解釈が導く「バナナ」のかたちを描き起こしていく。緻密な線画の集積は、新たな創造の回路を開く無限の可能性に満ちている。