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没後30年 入江泰吉「大和のみほとけ」

入江泰吉 室生寺弥勒堂釈迦如来坐像 1965頃

 入江泰吉記念奈良市写真美術館では、入江泰吉(1905~92)の没後30年の節目に展覧会「大和のみほとけ」を開催。「大和のみほとけ」の連作を通して、写真家の人生を振り返る。

 奈良県に生まれ、大和路や仏の姿を撮影し続けた入江。「大和の仏像」は戦後の代表作のひとつであり、写真家が長年にわたって対峙してきた主題だ。

 6世紀に伝来した仏教は、人々の苦悩や煩悩を取り除いてくれるものとして全国に普及し、日本独自の文化を形成してきた。そして国家の安泰や民衆の病、貧困を救う願いを込め、各時代の声を反映しながら多種多様な仏が造られ、今日まで祈りの対象として、私たちに安らぎをもたらしている。

 入江自身も、戦災に遭った体験から仏を「心の拠り所」として接し、何度もその姿に対峙するうちにその内面に秘められた精神性や「祈りの心」を注視していった。生前、「心の構えが整わなければ、み仏の心は開かれない」という言葉を残した入江は、仏の崇高な美と心をとらえ、私たちを祈りの世界へ誘うような作品を表現することに苦心した。

 本展では、入江が約半世紀にわたって向き合った大和の仏像を、モノクロとカラー作品約60点によって紹介する。