EXHIBITIONS
太田三郎展「人と災いとのありよう」
兵庫県のBBプラザ美術館では、「太田三郎展 人と災いとのありよう」が開催されている。
太田三郎は、日常的な営為に視点を置き、独創的な制作活動を続けている美術家。1950年に山形県で生まれ、国立鶴岡工業高等専門学校を卒業後に上京し、やがてグラフィックデザインの仕事に携わる。また、仕事の傍ら肖像画や版画を制作。身近な「版画的なもの」を探すなかで、電車の切符やレシートといった素材を広義の版画と考え、84年より切手を素材とした作品を発表している。
94年から現在まで、岡山県津山市に拠点を置き、2021年には第73回岡山県文化賞を受賞。作品は、東京国立近代美術館、東京都現代美術館、岡山県立美術館、公益財団法人大原美術館、韓国国立現代美術館、ドレスデン国立美術館版画素描館などにコレクションされている。
本展では、コロナ禍の「マスク」をモチーフとした切手型作品や、戦争で失われた生命や記憶に思いを寄せた「POST WAR」シリーズなど、「人と災い」をテーマにした作品を紹介している。
精緻で静謐な太田の作品は、一見多くを語らない。しかし災厄における人間の存在へと迫ることで、その奥にある、これから生きてゆくすべての人々へのメッセージや問いかけ、太田のまなざしにふれることができるだろう。本展は展覧会というかたちをとった、私たちへの宛名のない手紙でもある。
太田三郎は、日常的な営為に視点を置き、独創的な制作活動を続けている美術家。1950年に山形県で生まれ、国立鶴岡工業高等専門学校を卒業後に上京し、やがてグラフィックデザインの仕事に携わる。また、仕事の傍ら肖像画や版画を制作。身近な「版画的なもの」を探すなかで、電車の切符やレシートといった素材を広義の版画と考え、84年より切手を素材とした作品を発表している。
94年から現在まで、岡山県津山市に拠点を置き、2021年には第73回岡山県文化賞を受賞。作品は、東京国立近代美術館、東京都現代美術館、岡山県立美術館、公益財団法人大原美術館、韓国国立現代美術館、ドレスデン国立美術館版画素描館などにコレクションされている。
本展では、コロナ禍の「マスク」をモチーフとした切手型作品や、戦争で失われた生命や記憶に思いを寄せた「POST WAR」シリーズなど、「人と災い」をテーマにした作品を紹介している。
精緻で静謐な太田の作品は、一見多くを語らない。しかし災厄における人間の存在へと迫ることで、その奥にある、これから生きてゆくすべての人々へのメッセージや問いかけ、太田のまなざしにふれることができるだろう。本展は展覧会というかたちをとった、私たちへの宛名のない手紙でもある。