EXHIBITIONS
吉田桃子 個展「Pit Lo_Ssence」
大阪を拠点とするペインター・吉田桃子の都内ギャラリーでは初となる個展「Pit Lo Ssence」がmyheirloomで開催される。
吉田は1989年兵庫県生まれ。2016年京都市立芸術大学大学院美術研究科修士過程絵画専攻修了。音楽を聴いている時の高揚感や、そこで頭に浮かぶ映像的なイメージを絵画の形式に変換し閉じ込め、鑑賞者と感情を共有する装置を制作している。近年参加したグループ展に、「Kyoto Art for Tomorrow 2019ー京都府新鋭選抜展ー」(京都文化博物館、2019)、「Slow Culture」(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA、2021)などがある。
吉田の制作は、まずそれぞれのシーンの舞台装置となるマケットやマネキンを加工したオリジナルの人形をつくることから始まる。自作したマケットや人形を動画で撮影し、さらにその映像内からもっとも相応しい1コマを選出後、絵に描き起こすという、非常に複雑かつ手間のかかる工程を踏んでいる。一貫して透過性の高い薄い支持体を用い、登場人物たちが映画のワンシーンとしてスクリーン上に現れたかのような表現を意識していると作家は言う。
本展で新たに展開するシリーズでは、自身の作品世界をより広げるため、面識のないSNS上でのみ知っている人物や、自身より若い次世代のミュージシャンなどを積極的に招き入れ、あえて自己から遠ざけたところでの制作を試みた。そこには吉田の永遠のテーマでもある、音楽の「エモさ」を表現するべく、徐々に対象を自身とギャップのある新世代の人物象に切り替えることで、より忠実な感情の演出と、作品における自身の監督的な役回りをより強化する意図も含まれている。
マケット、映像、絵画のあいだを何度も行き来する過程でイメージが再構築され、最終的に半透明の巨大な布に投影されたかのように現れる絵は、もともと頭のなかにあったものとは距離のある、作家の想像を超えたものとなる。
吉田は1989年兵庫県生まれ。2016年京都市立芸術大学大学院美術研究科修士過程絵画専攻修了。音楽を聴いている時の高揚感や、そこで頭に浮かぶ映像的なイメージを絵画の形式に変換し閉じ込め、鑑賞者と感情を共有する装置を制作している。近年参加したグループ展に、「Kyoto Art for Tomorrow 2019ー京都府新鋭選抜展ー」(京都文化博物館、2019)、「Slow Culture」(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA、2021)などがある。
吉田の制作は、まずそれぞれのシーンの舞台装置となるマケットやマネキンを加工したオリジナルの人形をつくることから始まる。自作したマケットや人形を動画で撮影し、さらにその映像内からもっとも相応しい1コマを選出後、絵に描き起こすという、非常に複雑かつ手間のかかる工程を踏んでいる。一貫して透過性の高い薄い支持体を用い、登場人物たちが映画のワンシーンとしてスクリーン上に現れたかのような表現を意識していると作家は言う。
本展で新たに展開するシリーズでは、自身の作品世界をより広げるため、面識のないSNS上でのみ知っている人物や、自身より若い次世代のミュージシャンなどを積極的に招き入れ、あえて自己から遠ざけたところでの制作を試みた。そこには吉田の永遠のテーマでもある、音楽の「エモさ」を表現するべく、徐々に対象を自身とギャップのある新世代の人物象に切り替えることで、より忠実な感情の演出と、作品における自身の監督的な役回りをより強化する意図も含まれている。
マケット、映像、絵画のあいだを何度も行き来する過程でイメージが再構築され、最終的に半透明の巨大な布に投影されたかのように現れる絵は、もともと頭のなかにあったものとは距離のある、作家の想像を超えたものとなる。