バーニー・フュークス展

　Bunkamura Galleryは、「生誕90周年記念 バーニー・フュークス展」を開催する。

　アメリカン・イラストレーション界の伝説的な存在であるバーニー・フュークス（1932〜2009）。逆光、ぼかし、余白、それらを駆使することで空気感と生命力を絵画に落とし込み、「現代の印象派」とも称されている。

　フュークスは1962年に20代の若さで「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」を、翌年には権威ある「ハミルトン・キング賞」を受賞。その後、アメリカ元大統領ジョン・Ｆ・ケネディや、エリザベス女王ら数々の著名人の肖像画も依頼され評価は高めた。いっぽう、あらゆるジャンルのスポーツ選手を描くようになったフュークスは、つねに危険を省みず自らグランドに潜み、スポーツの最高の瞬間を追ったことで迫力ある作品を数多く発表。雑誌の表紙やプロアマトーナメントの公式ビジュアルにも採用されるほど人気を博した。

　そのなかでも「ゴルフシリーズ」は、選手や観客の表情や動きよりも、その場その時の風景を画面上のメインに描写。光と影の絶妙なバランスに温かみのある色調が、自然のなかでプレーするゴルフの性質を余すことなく表現した。さらに、肖像画や風景画の作品でも、その精確な描写力によって対象の性質を露にし、滑らかなタッチとダイナミックな構図で対象に取り巻く雰囲気を動的に描いてみせた。

　画家の生誕90周年の節目に開催する本展は、ゴルフシリーズの新作版画をメインに、スポーツアートや初期作などの原画、版画約50点を一堂に展示・販売。また、代表作《ジョン・F・ケネディの肖像》の原画（非売）も合わせて公開する。