Vol.74 No.1095
2022年10月号 特集「五木田智央」
「ヘタ」こそ絵画の美しさ
1990年代より、音楽やサブカルチャーに影響を受けた大量のドローイング作品により注目を集め始めた五木田智央。その後グラデーションを特徴とするモノクロのペインティングや、近年ではミニマルで造形的なカラー作品を発表し、国内外のギャラリーや美術館などで個展を開催している。五木田の絵画制作の原点は、日本の美術教育ではなく、自ら浴びるように享受した1970年代〜90年代のミックスカルチャーにある。ハイアートの外側を走り続け、気がつけば日本を代表する画家のひとりとなっていた彼は、これまで何を考え、どのように絵を描き続けてきたのか。この特集では、「もっとヘタになりたい」と語る、五木田の絵画はもちろんのこと、それらを生み出す文化的コンテクストにも焦点を当て、彼の絵画構築の方法や創作の原点に迫る。
