Vol.66 No.1016
2014年12月号 特集「ボーイズラブ」
"関係性"の表現をほどく
主に女性作家が創作する、男性同士の愛や絆の物語であるボーイズラブ(BL)。
1960年代末の少女マンガにその原型が萌芽して以来、ひとつの物語ジャンルとして成熟を続けている。
BLのどこに魅力を感じるかは十人十色だが、 特筆すべきは"関係性"の表現にあると言えるだろう。
恋愛を描くことに主眼を置くBLにおいて、「攻め」「受け」という用語から、 男性身体像の描き分け、「行間」を読ませる繊細な心理描写にいたるまで、 数々の画期的な表現が登場人物の"関係性"を表すために生み出されてきた。
描き手/読み手の心を時に癒し、時に興奮させ、 ジェンダーやセクシュアリティーに対する固定概念を揺さぶり、 愛することや欲望の発露について思考をめぐらせるきっかけとなる。
そんなBLならではの表現を、作家はどのように描いてきたのか?
