Vol.66 No.1012
2014年10月号 特集「ジェフ・クーンズ」
世界一の嫌われ者アーティスト⁈
この夏、ニューヨークで話題沸騰のジェフ・クーンズ回顧展。
つねに議論を巻き起こすその作風から、 いまやジェフ・クーンズはアート界きっての 「嫌われ者」とレッテルを貼られるほどだ。
その徹底的な言われようは、
「下品」
「ジェフ・クーンズの芸術はそれ自体の宣伝以上の目的を一切もたない」
「子どもじみた陳腐さのメーターを振り切ってしまったと言っていい」
「ひどく不快」
「ペテン師のようでもあり自らを奮い立たせる教祖のようでもある」
「巨大な絵画をしつこく制作する理由がわからない。あれは退屈だ!」
「表現しないほうがいいものもある」
「ジェフ・クーンズには嫌気がさす。だけど彼の作品を見るとワクワクするし、愉快な気持ちにさせられる。 そしてその事実にまたうんざりさせられる」
というような、美術批評家たちからクーンズに浴びせられた言葉からも見てとれる。
いったいなぜ、これほどまでに嫌われるのか──。
それを探り当てることが、アーティストとして 誰も成し遂げたことのない領域を 切り拓いた"クーンズ"という作家を 理解してゆくために避けて通れない道なのである。
