EXHIBITIONS

加守田章二 天極をさす

2021.09.04 - 10.17

加守田章二 曲線彫文壺 1970 岐阜県現代陶芸美術館蔵 写真提供=益子陶芸美術館

加守田章二 彩陶壺 1971 個人蔵 写真提供=益子陶芸美術館

加守田章二 壺 1976 個人蔵 写真提供=益子陶芸美術館

 天才的な造形力と卓越した技で近代日本陶芸史に大きな足跡を残した陶芸家・加守田章二(かもだ・しょうじ、1933~1983)。その展覧会「加守田章二 天極をさす」が佐野美術館で開催される。

 加守田は大阪府岸和田市に生まれ、京都市立美術大学(現・京都市立芸術大学)で陶芸家富本憲吉(とみもと・けんきち)らに師事。1959年に栃木県益子に窯を開いて独立した。同地では灰釉や鉄釉の表現を追い求め、67年に陶芸家として唯一となる高村光太郎賞を受賞。69年、岩手県遠野に拠点を移し、翌年には「曲線彫文」シリーズを発表して陶芸界に衝撃を与えると、さらにその翌年には一転して朱・緑・白といった色を用いた「彩陶」を展開、その後も作風を変化させながら精力的に作品を発表した。

 独自の表現を追い求めるなか49歳の若さでこの世を去った加守田。本展は、緻密な彫りを施した「曲線彫文」、色彩鮮やかな「彩陶」など、とくに作家として飛躍した益子時代から遠野時代前期の名品を中心に約100点を展示し、その足跡をたどる。