特集

「現代」に向き合い続ける 

挑戦的な舞台芸術を企画し続けるロームシアター京都は、4年目を迎えた2019年度、どんな深化を遂げようとしているのか。その象徴的な演目と、2020年3月にリニューアル開館を迎える京都市京セラ美術館など、京都岡崎という文化エリアに起きようとしている変化から、この街がどんな未来図を描こうとしているのかを探っていく。

京都岡崎エリア
注目の文化施設

ロームシアター京都

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劇場をハブに多様な出会いを

ロームシアター京都は市が運営する公営の劇場。前身である京都会館のネーミングライツをローム株式会社が取得し、2016年にロームシアター京都として生まれ変わった。リニューアル後も世界水準の優れた作品を上演することはもちろん、劇場とアーティストが共同し新たなレパートリー作品を生み出すためのプロジェクト「レパートリーの創造」(2017~)や調査研究事業「リサーチプログラム」といった試みは国内の公立劇場ではめずらしい。

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設計は前川國男

ロームシアター京都の前身・京都会館(1960年)は、ル・コルビュジエに師事した巨匠・前川國男が設計を手がけた。岡崎地域の周辺環境との調和を考慮し、水平線を強く意識した意匠で設計されており「戦後モダニズム建築の傑作」と高い評価を受けた。その後、建物の老朽化に伴い建築家・香山壽夫が改修設計を手がけ、2016年にロームシアター京都が開館した。香山が掲げた「時代ごとの新しい価値を、これまで築いてきた古い価値の上に重ねていく」というテーマは、建造物のみならずロームシアター京都の事業姿勢にも受け継がれている。

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開かれた劇場

公演の有無にかかわらず、ロームシアター京都は日常的に人々が集まり、語りあうパブリックスペースでもある。1Fに位置する蔦屋書店では本を読みながらスターバックスコーヒーを楽しむことができる。とくにコンシェルジュの選書が光る「人文・社会」棚は必見。2Fへの階段を登ると開放感溢れるカフェ&レストラン「京都モダンテラス」があり、風景と旬の素材を使った料理、双方から京都の四季を味わうことができる。この自由な場に集う人と人との結びつきが、京都のまちにやがて新たな文化を生成するだろう。

ロームシアター京都

京都市左京区岡崎最勝寺町13
開館時間/9:00〜19:00
※催物がある場合は催物終了まで開館
京都岡崎 蔦屋書店 8:00〜22:00
京都モダンテラス 8:00〜23:00
休館日/無休

京都市京セラ美術館

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待望のリニューアル開館

2020年3月21日にリニューアル開館を迎える京都市京セラ美術館(京都市美術館)。リニューアル後には、これまでの本館に加え、現代美術などを展示するための新館「東山キューブ」、新進作家を中心に発信する「ザ・トライアングル」、収蔵品を展示する「コレクションルーム」などの展示スペースを新たに備え、これまで以上に多様な美術を発信する。館長にはリニューアルの設計を手がけた建築家・青木淳が就任した。

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開館記念展は京都の美術と現代美術

開館記念展「京都の美術 250年の夢」では、同館のコレクションの真髄である「京都の美術」を全国から集めて展示。文化庁をはじめ、宮内庁三の丸尚蔵館、東京国立博物館、京都国立博物館、東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、東京藝術大学大学美術館などから出品される、伊藤若冲、曾我蕭白、円山応挙、竹内栖鳳、上村松園、堂本印象といった作家たちの400点を超える作品を、3部構成で紹介する。

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個展「杉本博司 瑠璃の浄土」

新館「東山キューブ」では、個展「杉本博司 瑠璃の浄土」を開催。かつて6つの大寺院が存在していた京都・岡崎。杉本は、その地に立つ京都市京セラ美術館で「仮想の御寺の荘厳」を構想するという。杉本はこの構想について、「現代と中世、何が変わったかというと浄土観。死に対する荘厳さが変わった、死に対して無関心になってしまった」と語り、そのメンタリティの変化、現代人にとって浄土とは何かを展覧会を通じて見せるという。大判カラー作品シリーズ「OPTICKS」が世界初公開されるほか、ヴェネツィアやヴェルサイユ宮殿での展示で話題となった《ガラスの茶室 聞鳥庵もんどりあん》が日本初公開となる。

京都市京セラ美術館

京都市左京区岡崎円勝寺町124
開館時間/10:00〜18:00(リニューアル後)
※最終入館は閉館30分前まで
休館日/月曜日(祝日の場合は開館)、年末年始

PICK UP

2020年12月12日

ジョーン・ジョナス
『Reanimation』

パフォーマンスとニューメディアを融合させた芸術表現の先駆者であり、50 年にわたり現代美術の最先端を走り続けるジョーン・ジョナスのパフォーマンス公演。12月には京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAで個展も開催される。

ロームシアター京都
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2020年2月8日・9日

レパートリーの創造
ジゼル・ヴィエンヌ、エティエンヌ・ビドー=レイ

『ショールームダミーズ #4』

マゾッホの『毛皮を着たヴィーナス』をモチーフに、2001 年の初演から現在に至るまで、再演を 繰り返しながら変化を続けるジゼル・ヴィエンヌの出世作。本公演では6人の日本人ダンサーとともにあらたな舞台を創造する。

ロームシアター京都
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2020年3月28日・29日

ダムタイプ新作公演

世界がその動向を注目し続ける伝説のマルチメディア・パフォーマンス・グループ、ダムタイプが2002年以来18年ぶりとなる待望の新作パフォーマンスを発表。

ロームシアター京都
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2020年3月

KYOTO STEAM
-世界文化交流祭-

文化・交流施設が集積する京都・岡崎を中心に、アート×サイエンス・テクノロジーをテーマにした国際的な文化・芸術の祭典が開催される。STEAMとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Arts(芸術)、Mathematics(数学)の意。

ロームシアター京都他、京都市内各所
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2020年3月21日-6月14日

個展
「杉本博司 瑠璃の浄土」

国際的に活躍するアーティスト、杉本博司が京都での初の大規模個展を開催。世界初公開となる大判のカラー作品シリーズ「OPTICKS」や、ガラスにまつわる様々な作品や考古遺物を展示。「瑠璃」「浄土」「偏光色」をキーワードに、「浄土を追求してきた日本人の心の在り様」を見つめ直す。

京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ
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