2020.12.18

開催中止となった札幌国際芸術祭2020が特別編を公開。ウェブサイトや動画、記録集などで紹介

今年12月に開催予定だったが、新型コロナウイルスの影響で中止を余儀なくされた「札幌国際芸術祭2020」。その開幕に向けて準備していた企画をウェブサイトや動画、記録集など様々な方法で紹介する特別編が12月19日〜2021年2月14日に公開される。アーティストのインタビュー動画や特別ウェブサイト、ドキュメント展示、そして子供・ファミリー向けのプログラムなど様々なプログラムを楽しみたい。

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 3年に1度札幌を舞台に開催される「札幌国際芸術祭」(SIAF、サイアフ)。今年で3回目を迎える同芸術祭は12月の開幕を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で中止を余儀なくされた。その開幕に向けて準備していた企画をウェブサイトや動画、記録集など様々な方法で紹介する「札幌国際芸術祭2020 特別編」が12月19日から公開される。

 2014年に初めて開催された同芸術祭は、これまで坂本龍一、大友良英がディレクターを歴任。今回は初の共同ディレクター制を採用し、「Of Roots and Clouds:ここで生きようとする」というテーマのもと、天野太郎、アグニエシュカ・クビツカ=ジェドシェツカ、田村かのこの3名がディレクターを務める。

アーティストインタビュー

 12月19日からは、YouTube動画配信「SIAF TV」がスタート。参加予定だったアーティストのインタビュー動画全44本を順次配信し、作品の構想や札幌への思いなどアーティストの生の声を届ける。19日14時には、SIAF2020のディレクターによるオープニングプログラムも配信。3人のディレクターが会期中展開するプログラムの見どころや制作の経緯を紹介する。

 また、20日にはSIAF2020に出展が予定されていた作品《Senster》も公式YouTubeチャンネルに登場。ポーランド出身の彫刻家エドワード・イナトビッチが1968年に制作し、その後40年以上行方不明になっていた同作。近年発見・修復され、その姿は今回ポーランド・ワルシャワとつないだ生配信で届けられる。

Senster Live

 このYouTube動画配信とともに特別ウェブサイト「SIAF2020マトリクス」も公開。最先端の技術の活用し、SIAF2020のアイデアやコンセプトを実験的な方法で紹介する。

SIAF2020マトリクス
SIAF2020マトリクス

 2021年2月5日〜14日には、SIAF2020に向けて準備していた企画を紹介する展示「SIAF2020ドキュメント」と、札幌の「除雪」をアートに変えるプロジェクトを紹介する「Sapporo Winter Change 2021」が札幌文化芸術交流センターSCARTSで同時開催。2月下旬には、予定していた企画をまとめた記録集も刊行予定だ。

札幌文化芸術交流センターSCARTSが所在する札幌市民交流プラザ Photo by Noriko Takuma

 加えて、子供・ファミリー向けのプログラム「SIAF2020アートメディエーションプログラム」も実施。ワークブックやインスタグラム企画、音声ガイドなど、子供から大人まで楽しめるプログラムを通じ、身近なものや札幌の街への新たな視点を提供する。

 現代美術を通じて、札幌の魅力を広く国内外に発信していく同芸術祭。開催中止という困難な状況を乗り越えて行われる新たな展開に期待したい。

SIAF2020アートメディエーションプログラム