2024.4.4

久保寛子の展覧会「鉄骨のゴッデス」がポーラ ミュージアム アネックスで開催へ

ポーラ ミュージアム アネックスで久保寛子の展覧会「鉄骨のゴッデス」が開催される。会期は4月26日〜6月9日。

久保寛子 Steel framed Goddess 2024 180×172×74 cm 鉄、防風ネット
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 東京・銀座のポーラ ミュージアム アネックスで久保寛子の展覧会「鉄骨のゴッデス」が開催される。会期は4月26日〜6月9日。

 久保は1987年広島県生まれ。テキサスクリスチャン大学美術修士課程修了。先史芸術や民族芸術、文化人類学の学説のリサーチをベースに、身の回りの素材を用いて彫刻作品を制作するアーティストだ。

 本展では、防風ネットを使った新作《鉄骨のゴッデス》を含む、約60点を展示。コンクリートでできたアミュレット(魔除け)やブルーシート製の土器など、数々の立体作品も展示されるとともに、会期中ポーラ銀座ビル1階のウィンドウでは、平面作品も展示される予定となっている。

鉄骨のゴッデス

2024年の元日、大きな地震が能登半島を襲いました。自然災害を目の当たりにするたび、私たちは自らが築いてきたものや、自ら自身の脆弱性を痛感します。高層ビルや地下鉄、人工衛星などの技術も、先史時代の土器や石像、洞窟壁画と同じく、厳しい自然に対抗し、適応し、祈りながら生きてきた人類の生の証です。

柳宗悦は民藝論を通じて、民衆が生み出す実用品にこそ美が宿ると説きました。すなわち「用の美」です。それに対抗するものは、「用」から離れて「美」のために作られた美術品や、「利」のために生み出された工業品であると言います。

宗教美術や民俗芸術も、人間の精神的な必要性、いわば「心の用」から生まれた民藝です。
私が作家としてこれらを手本とする理由は、現代の合理性では計り知れない、豊かな神話的思考の具現であり、今もなおヒトはこのような思考を必要としていると感じるからです。

神話や民藝を失いつつある現代。効率化された工業製品の中に、ゴッデス(女神)を見出すことは可能でしょうか。

私は身の回りにある素材から道具や偶像を生み出してきた古人に倣い、いま身近にあるもの、例えばブルーシートや軍手やワイヤーメッシュを使って作品を作ります。それらが新しい神話の断片となり、女神像の身体となることを信じて。

2024
久保寛子