EXHIBITIONS

収蔵優品展

生誕110年 歿後50年 徳野大空を中心に

成田山書道美術館
2024.04.27 - 06.16

徳野大空 草原

 成田山書道美術館で、収蔵優品展「生誕110年 歿後50年 徳野大空を中心に」が開催されている。

 群馬県碓氷郡後閑村(現・安中市下後閑)に生まれた徳野大空(本名:輝雄)は、半田神来に師事し、群馬師範学校卒業後は群馬県碓氷郡秋間小学校に奉職した。その年の8月には書学院の夏期講習会に参加し、一層書への志を深くした。昭和10(1935)年には上京して比田井天来に師事、書の研究に没頭する。天来没後は手島右卿に師事して、大日本書道院展で最高賞を受賞するなど頭角を現す。

 第二次世界大戦後、日本書道美術院展には審査員として参加し、昭和24(1949)年には日展で書部門初の特選受賞者の一人となるなど戦後書壇を牽引した大空は、造型的志向の強い作品や一字書などその書域を広げながら現代の書の可能性を追求した。その追求は自ら筆や墨を制作するところにまで及んでいる。

 本展では、書の道に邁進するために上京した頃の作品から、最晩年までの作品を一堂に展示。60年の限られた生涯を疾走した徳野大空の書業を回顧する好個の機会となっている。