王舒野「認識以前の絶対的知覚次元へ」

　東京画廊＋BTAPで「認識以前の絶対的知覚次元へ」が開催されている。

　王は1963年中国黒龍江省生まれ。89年に北京の中央工芸美術学院（現・清華大学美術学院）を卒業後の1990年に来日するも、2001年の個展開催に至るまでの10年間作品発表を行わず、芸術の精神的探求に日々没頭していた。2001年の鎌倉での個展開催を皮切りに、主に東京と鎌倉で作品を発表。17年から中国の最先端アートシーンの中心をなす北京の798芸術区にアトリエを構え、現在、鎌倉と北京を拠点に作品制作を続けている。

　本展では、銀座の街を描いた新作が展示される。王は90年代初頭から「認識以前の絶対的知覚次元」をめぐって、絵画の新たな視覚空間の可能性を探求し続けてきた。対象としての認識につながりがちな多彩色に挑戦し、都会に特徴的な直線的要素を取り入れるなど、王の新たな試みを見ることできる。