レイチェル・アダムス「Home Grown」

　スコットランド・グラスゴーで活動するアーティスト、レイチェル・アダムスの個展「Home Grown」が開催される。

　アダムスは1985年イギリス、ニューキャッスル・アポン・タイン生まれ。エディンバラ大学エディンバラ・カレッジ・オブ・アートを卒業後、オックスフォード大学ラスキン・スクール・オブ・アートを修了する。これまで、彫刻的な形態と装飾工芸技術、素材の歴史的・文化的価値において、アートとデザインがもつ階層構造の矛盾を探求し、批評性を持ち合わせた作品を制作。絞り染めやマクラメ編みなどの様々なDIYの方法と、レーザーカットやデジタル印刷といった現代的な技法を組み合わせている。

　日本では、Yoshimi Artsで2015年に日本初個展「Open Studio」を開催。「Open Studio」で発表した、手染めの布地と、高度なデジタル処理技術によってつくられたアクリル製のオブジェクト、そして伝統的な彫刻手法と道具を用いた新しい彫刻のシリーズは、歴史に対する私たちの知覚概念と、アートとデザインを隔てている階層的な構造の矛盾点を浮き彫りにした。

　2020年、パンデミックによって社会や人々の生活は一変した状況下でアダムスは、毎月定期購読しているインテリアとデザインの雑誌『ELLE Decoration UK』から、キノコが生えている様相の作品を制作。本展では、パンデミックが鮮明になった2020年4月号〜2021年1月号までの10号分を展開する。