山本愛子 Symbiosis - 回遊する色-

　iroherbで「ゆうまちアートプロジェクトVol.1 山本愛子 Symbiosis - 回遊する色-」が開催されている。

　今春、山口県岩国市に「ゆうまちアートプロジェクト」が誕生。「ゆうまちアートプロジェクト」は、岩国市由宇町からはじまる回遊型アートプロジェクトとなっている。長い時間をかけて育まれてきた由宇町ならではの文化と芸術をかけあわせることで、新しい体験やモノ・価値を生み出すことを目的に始まった。

　このプロジェクトでは、アーティストが由宇町に滞在し、地域の歴史や文化を深掘りすることで作品を制作する「アーティスト・イン・レジデンス」も開催予定だ。ジャンルを問わず表現を行うアーティストを国内外から招聘し、由宇町の豊かな自然と文化のなかでアートに触れる体験を創出することで地域交流による賑わいの創出と芸術文化の活性を目指す。

　本プロジェクトでは、プレ事業の会場となる複合施設・iroherb（イロハーブ）を出発点に、100年後の未来を見据えたまちづくりとアートを通じた多文化共生の里町創生による地域づくりに取り組んでいく。

　プロジェクトの誕生にあわせ、国内外で活躍するアーティスト・山本愛子を招いたプログラム「ゆうまちアートプロジェクト Vol.1 山本愛子 Symbiosis - 回遊する色 -」を、リニューアルされたiroherbにて開催。展覧会キュレーションはTHE POOL。

　山本は、アジアを中心とした様々な場所で、自然環境や染織技術をリサーチし、作品制作を行ってきた。滞在した地域で得た知見と、その土地の植物を使って制作された作品たちには、循環する生命の記憶と、土地固有の色彩が立ちあらわされている。いっぽうで「地域の歴史をアーカイブする」かたちとしての作品群は、鑑賞者に染色の文化や歴史継承について思いを巡らす機会を与える。

　山本が様々な場所で採取した素材で制作した作品群や映像によるインスタレーション型の展覧会を、緑豊かな会場内を回遊することで鑑賞してみてほしい。