EXHIBITIONS

福岡アジア美術館開館25周年記念コレクション展

アジアン・ポップ

メイ・ディンイー(梅丁衍) トロツキーに捧ぐ 1991 写真、アクリル板ほか 117.7 × 170 cm 福岡アジア美術館蔵

 福岡アジア美術館 アジアギャラリーで「福岡アジア美術館開館25周年記念コレクション展 アジアン・ポップ」が開催されている。

 同館は、2024年3月6日に開館25周年を迎えた。世界で初めて「アジアの近現代美術」に特化した美術館が、福岡に誕生したのが1999年。長年にわたる同館の先駆的な活動は、世界の美術界から高い評価を得てきた。開館から四半世紀が過ぎたいま、改めて同館の活動と存在を広く伝えるため、2023年度に「福岡アジア美術館ベストコレクション」を開催。2024年度は「福岡アジア美術館 開館25周年記念コレクション展」を、異なったテーマで2回に分けて開催する。

 1回目となる本展では、「アジアン・ポップ」をテーマに、ポップアートの作品で評価を高めたアジアのアーティストの作品を紹介。大量消費社会が生み出した商業広告などのイメージを表現に取り込み、時代や社会をアイロニカルにとらえる「ポップアート」は、1950年代から60年代にかけてイギリスやアメリカ、そして日本でも隆盛し世界に広がった。その語源は「ポピュラー(大衆的)」に由来し、アジア各地でも1980年代頃から現在まで盛んに制作されている。

 本展では、同館が所蔵するポップアートの傾向を示す作品を多数紹介するとともに、アーティストが創作の源泉とした大衆美術(映画や商業ポスターなど)をあわせて展示。これまで、アジア近現代美術に影響を与えた大衆美術などを積極的に収集し、既存の美術の枠にとらわれない新たな美術の価値創造を理念にしてきた同館だからこそ実現できる、個性溢れるコレクション展を楽しんでほしい。