アリヨ・ト・ジョヨ「Over My Head」

ペロタン東京で、アリヨ・ト・ジョヨのアジア初となる個展「Over My Head」が開催されている。

　ト・ジョヨは、米国・カリフォルニア州パサディナのアートセンター・カレッジ・オブ・デザインにて美術を学ぶ。エアブラシ技法を自身の芸術的プロセスの中心とし、視覚的遠近法、色彩理論、芸術における形式的要素の考察といったデザインの原理を巧みに取り入れながら、実験的な絵画を制作している。また、とくにゲルハルト・リヒター、ヴィヤ・セルミンス、エド・ルシェ、ジョン・バルデッサリ、リチャード・プリンスなどからインスピレーションを受けていると言える。ト・ジョヨの作品の多くは、ロサンゼルスの都市構造を描いており、同市独自のサブカルチャーと共鳴している。

　本展は今年初開催されたアートフェアTokyo Gendaiでのソロ・プレゼンテーションに続くものとなる。今回、ト・ジョヨは映像やファウンド・フォトなどの要素をはじめて取り入れ、鑑賞者がどのように真実を認識するか、その概念をさらに探求している。本展では、ト・ジョヨが関心を抱き続けているUFO（未確認飛行物体）の目撃情報や、それらがもととなり歴史を通して生じてきた社会政治的な言説を示唆する一連の新作絵画を初公開する。