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青木千絵

Chie Aoki

 青木千絵は1981年岐阜県生まれ。2010年金沢美術工芸大学大学院修了。自分の内側に眠る「何か」に対峙し、人間存在をテーマに、等身大の人間の身体と抽象形態が融合した漆の作品を制作している。横たわる、座り込むなど、もの哀しいポーズをとる人型の作品、0.1ミリにも満たない漆の薄い層を重なった堅牢な表面と、腰から上が歪み引き伸ばされ、溶解したようなフォルムが特徴。外界から遮断するように殻の中に閉じこもり、不安や孤独を抱えながらも、強くたくましく生きようとする人間の存在を表現している。

 主な個展に、「孤独の身体」(現代美術 艸居、京都、2018)、「美術の中のかたち―手で見る造形 青木千絵展 漆黒の身体」(兵庫県立美術館、2017)、「青木千絵展」(ガレリア フィナルテ、名古屋、2010)。展覧会に、「Arts Towada 十周年記念『インター + プレイ』」(十和田市現代美術館、2020)、水と土の芸術祭2018(旧齋藤家別邸、新潟)、「Hard Bodies: Contemporary Japanese Lacquer Sculpture」(ミネアポリス美術館、2017)、「ヒトのカタチ、彫刻」(静岡市美術館、2014)ほか多数。作品は、ミネアポリス美術館、徳島県立近代美術館、湖北美術館(中国)などに収蔵。05年に​日本漆工奨学賞を、19年に金沢・世界工芸コンペティション優秀賞を受賞。