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ヴォルフガング・ティルマンス

Wolfgang Tillmans

 ヴォルフガング・ティルマンスは1968年ドイツ・レムシャイト生まれ。ボーンマス・アンド・プール・カレッジ(イギリス)にて写真を学んだ後、80年代から雑誌『i-D』などファッション雑誌で作品を発表し注目を浴びる。現在ロンドン、ベルリンを拠点に活動。身の回りの何気ない人物やモノなど日常の繊細な美をとらえ、セクシュアリティやジェンダーなど社会的なテーマも扱う作品は若者世代の共感を呼んだ。98年からはネガなしの印画紙に光の現象を定着させた抽象的なイメージの作品を発表。2000年にはイギリス生まれではない写真家として初めてターナー賞を受賞した。翌年にはフィルムLight(Body)の制作やペット・ショップ・ボーイズのヴィデオ制作にも参加するなど、映像表現も手がける。

 その後も04年にはテート・ブリテンで英国初の回顧展を、06年にはシカゴ現代美術館で米国初の本格的回顧展を開催。また、自ら編集を手がける作品集も継続的に発表している。近年ではテート・モダン(ロンドン)にて個展「WOLFGANG TILLMANS: 2017」が開催された。日本では「失われた風景」(横浜美術館、1997)や「身体の夢」(東京都現代美術館、1999)のほか、東京オペラシティアートギャラリーでの大規模な個展「Freischwimmer」(2004)などで作品を発表している。