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田島享央己

Takaoki Tajima

 田島享央己は、2000年に愛知県立芸術大学美術学部彫刻科を卒業。アウトローな気質をそなえ、彫刻だけでなく絵画領域にフィールドを広げ、幅広く活動している。2頭身の立体作品は、ニュートラルな立ち姿で観る者に様々な想像力を掻き立て、人気に火をつけた。また、木彫作品からもうかがえる色彩感覚と空間構成のセンスが平面にも発揮されている。シンプルに且つ大胆に構成され、隣り合った色と色の関係性が際立った背景のなかに描かれたキャラクターはなんとも不思議な表情や動きで描かれている。20年にはニューヨークで個展が開催されるなど、日本に留まらず、海外でも人気上昇。22年は、世の風潮に逆らうように制作し続けたロック魂がスパークし、自身の半生をコミカルに描いた初のリトグラフ作品「LIFE」シリーズを発表する。ペシミスティックな題材をアチャラカに表現する高度なセンスが高い評価を得ており、田島革命が実を結びつつある。著書に『シドロモドロ工作所のはじめてのお彫刻教室』(河出書房新社、2019)、糸井重里著・小さなことばシリーズ最新作『生まれちゃった。』(ほぼ日、2023)の装丁も手がける。