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江頭誠

Makoto Egashira

 江頭誠は1986年三重県四日市生まれ。2011年多摩美術大学美術学部彫刻学科卒業。戦後日本で独自に生産され、高度経済成長期の一般家庭に普及したバラ柄の毛布を素材に用いて、大型の立体作品や空間性を生かしたインスタレーション作品を制作。バラ柄の毛布で包まれた日本固有の文化・慣習にちなむオブジェや、空間を丸ごとキッチュな文様の毛布で覆ったインスタレーションは、鑑賞者に強烈なインパクトを与えるとともに、日本人が西洋文化に抱くコンプレックスや憧れ、日本固有の文化や価値観を浮き上がらせる。鑑賞者が花柄の毛布で仕立てたスーツを着て作品の中に入り、集合写真を撮影する《suit》(2017)など体験型の作品も手がけている。

 15年に、発泡スチロール製の霊柩車を毛布で装飾した《神宮寺宮型八棟造》で「第18回岡本太郎現代芸術賞」特別賞を、その翌年、毛布で洋式トイレをつくった《お花畑》で「SICF17」グランプリを受賞。近年の個展に、「薔薇物語 〜ハーベストムーン〜」(Meets by NADiff、東京、2020)、「イミテイション・オニキス」(RCホテル京都八坂、2020)、「あいまいないま」(多摩美術大学彫刻棟ギャラリー、東京、2019)など。展覧会に、「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2019」(兵庫)、「BIWAKO ビエンナーレ 2018 きざし~BEYOND」(近江八幡市街、滋賀)、「六本木アートナイト2017」(六本木ヒルズ、東京)などがある。