死の研究所・DeathLABが、都市における「死」の未来を提示する。金沢21世紀美術館で展覧会が開催中

都市の「死」をテーマにした展示「lab.3DeathLAB:死を民主化せよ」が、金沢21世紀美術館 デザインギャラリーにて開催されている。会期は7月7日~2019年3月24日。

DeathLAB Constellation Park 2014 © LATENT Productions and Columbia GSAPP DeathLAB

 人口集中とそれに伴う深刻な墓地不足、少子高齢化、無宗教を支持する人の増加、火葬の二酸化炭素排出による環境負荷といった、都市における「死」をめぐる問題をテーマにした展覧会「DeathLAB:死を民主化せよ」が、金沢21世紀美術館で開催中だ。

 環境、時間、空間といった街の多種多様な制約に対応できる「死」の未来を、宗教学や建築学、地球環境工学、生物学などを横断して探求している「DeathLAB」。2013年コロンビア大学の建築・都市保存大学院に設立された、火葬や自然葬や宇宙葬といった既存のものとは違う新しい死の形を提案する「死の研究所」だ。代表は、聖域、追憶、死の都市空間を再考する学際的な研究で知られる、コロンビア大学建築・都市・歴史保存大学院准教授のカーラ・ロスステインが務めている。

DeathLAB Constellation Park 2014
©LATENT Productions and Columbia GSAPP DeathLAB

 「郊外へ疎外される『死』をいかに街に生きたかたちで取り戻すのか」「現代の都市文化に見合う『生と死の循環』とは何か」「個人が死者を追悼する空間でありながら、都市のインフラストラクチャーにもなるような公共空間はどのように実現できるのか」といった問いに対して、革新的な可能性を建築模型や映像資料を通して紹介する本展。現在と未来の都市のかたちを考えるうえでも示唆的な展覧会だといえるだろう。

編集部

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