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PROMOTION - 2016.11.18

上田麗奈と藤ちょこ先生のデジタルペイント講座 ⑩背景編

初心者にもやさしい直感的な操作が可能な多機能・低価格のペイントソフトとして、多くのクリエイターから支持を得ているペイントソフト「openCanvas」。本連載では、声優の上田麗奈が、同ソフトのメインアートワークを手がけた人気イラストレーター・藤ちょこさんにその魅力を教わりながら、オリジナルのデジタルイラストを制作。第7回からは写真をベースに新たな作品に挑戦しています。第10回の今回は、それぞれの物の質感を描きこんでいきます。

「openCanvas」でデジタルペイントに挑戦する声優の上田麗奈

影を描いて柵の質感を出す

全12回の講座も残すところあと3回。前回までの作業で、人物と背景にひととおり色を塗り終えました。残りの回では、openCanvasの様々な機能を組み合わせながら、もとの写真を参考に物の質感を出すなど作品をより精度の高いものへと仕上げていきます。

藤ちょこ(以下、藤):今日は、背景部分の物の質感を出していきます。最初に柵の部分から作業していきましょう。 もとの写真を見ると、光源が手前(カメラ側)のほうにありますよね。まず、柵の下の部分に暗めの色をエアブラシでのせていきましょう。スポイトツールで、柵の塗りに使用したグレーの色を拾ってください。それより暗めのグレーを選択します。レイヤーの機能で透明部分を保護しておいて、柵全体の下から上へ、ふわっとグラデーションをかけるようなイメージで塗っていきます。エアブラシの直径は太めがいいです。

上田麗奈(以下、上田):こうですか?

藤:そうですね。今度はエアブラシからペンツールに替えて、柵の上の棒の影が落ちている部分を描いていきます。

上田:ふんふんふん。[柵の上の棒をなぞるように影を入れていく]

柵の全体にグラデーションを入れ、上の棒の影を加えるだけで、柵が立体的に見えてくる

藤:こうすると立体感が出てきます。ちなみに、柵の線画はピンクだったり、壁の線画はオレンジだったりカラフルですが、その理由は?

上田:特にないです(笑)。わかりやすいと思って。

冗談を交えながらの、和気あいあいとした収録の様子。講座も10回目を迎え、藤ちょこ先生もスタッフも、上田の性格や癖がわかってきた

藤:なるほど。そうしたら、レイヤーのモードを切り替えることで、塗りの色に馴染んでくるかと思います。この絵だと「乗算」や、暗い部分と明るい部分をバランスよく掛け合わせる「オーバーレイ」あたりがよいかもしれません。

上田:[レイヤーモードを次々変えながら]ん〜、悩ましい……「オーバーレイ」かな。

藤:奥のほうの柵の柱が重なっている部分にも影を入れることで、さらに立体的になります。この作業は、直線ツールでも、フリーハンドでもやりやすいほうで大丈夫です。

開発チーム(以下、開発):そんなにパースを意識しなくてもいいんですね?

藤:はい、こういうところはある程度感覚的に描いて、それらしく見えればいいと思います。必ずしも、パースが正確であることがいい絵の条件というわけでもないですから。続いて、柵の下の棒の上面を塗りましょう。新たにレイヤーを作成してください。上面の形を多角形ツールで指定してもいいですし、「自由選択」でフリーハンドで塗りつぶしてもいいですよ。

上田:「自由選択」の方がラクです〜〜!

柵の上部にある棒の上面を明るく描くことで、棒の太さや幅が表現されてきた

藤:さらに、写真を見ながら、光が当たっている柵の上部にある棒の上面を塗ってみましょう。明るめのグレーを選択して、奥のほうの面積が少なくなるように描くと立体的になります。

上田:[柵の上面を塗りながら]この明るい面を少しぼかしてみたいです。

藤:フィルタの機能でレイヤー全体をぼかすこともできますが、際の部分をぼかすなら「ぼかしツール」を使いましょう。ツールバーの水滴のマークを選んで、色の境目をこするようにペンを動かすと、ぼかすことができますよ。

上田:[ぼかしツールで柵の上の棒の、上面と側面の境界をぼかす]こんな感じです!

藤:あと、柱にも明るい色でハイライトを入れていくと、金属の感じが出ます。

上田:こういうのは、どのくらい描き込めばいいでしょうか?

藤:これはもう好みですね。

上田:ふむふむ。[柵の部分に明るいグレーで光の効果を適宜加えていく]

光沢を描いて金属の質感を出す

藤:次は、ゴミ箱を描き込みましょう。写真のゴミ箱とは質感を替えて、金属製のゴミ箱にしてみましょうか。エアブラシで縦に線を引いていくと、円柱らしく見えてきます。影のできる側面に、太めのエアブラシでフワッと濃いめの色を載せると効果的です。

手元にあるアルミ缶を例にしながら、ゴミ箱の描写の説明をする藤ちょこ先生。写真はもちろん、身の回りのものを参考に絵を描いていく

上田:……[黙々と作業する]

藤:アルミの質感が出てきましたね。ゴミ箱の口から見える内側も描いたら、最後に明るめのグレーで円形の上面を塗って、側面に光の点を加えましょう。より金属らしくなりますよ。

上田:ほー。

藤:これでも十分ですが、さらにここに光の反射を加えてみましょう。ゴミ箱の線画の上に新しいレイヤーを作成して、レイヤーのモードを「加算」にしておきます。第4回第6回で光るシャボン玉の表現に使用した効果ですね。この状態で、光の当たっている箇所にエアブラシでオレンジ系の色をかけます。[ゴミ箱の左側にオレンジ色の光をのせる]

エアブラシで垂直線を引くと、ゴミ箱の円柱の側面が金属らしくなる

上田:うわー! 金属っぽくなってきたー。

開発:ゴミ箱がとてもリアルになりましたね。

藤:光が強すぎると感じたら、自然な感じになるまでレイヤーの透明度で濃度を調整してください。そうしたら、一度ファイルを保存しましょう。

ザラザラした壁面や床の質感を出す

藤:次は床ですね。タイルの色より少し濃い目の色を選択してください。壁際に沿うような感じで、床にエアブラシでフワッと色を入れてみてください。それから、柵の下の部分に、影を入れます。この要領で、二重窓の間の部分や壁面に、窓枠の影を入れていきます。それを終えたら、先ほどのように線画のレイヤーモードを替えて、線を塗りの部分と馴染ませていってください。

上田:あれ? どれがどのレイヤーだろう??

藤:レイヤーが増えてきましたからね。そういうときはレイヤーの左側の目のマークをクリックして、表示/非表示を切り替えるといいです。

作画に集中している上田。別モニターで、藤ちょこ先生が上田の手元の作業をチェックしている

藤:次は、床や壁のコンクリートの質感を出していきましょう。新しいレイヤーを作成したら、エアブラシからペンツールに替えて、「ペン先集」というウインドウを見てみてください。openCanvasでは、いろんな質感のペン先が選べるんです。ここでは、ザラザラした線を描けるペン先を選択します。線を引くというより、スタンプを押すような感じで描いていくほうが、壁の表面をザラザラした印象にできると思います。上田さんがお得意のポンポンと点を打っていく作業です!

様々なペン先の種類。太さや濃度を替えることで、幅広い表現がさらに可能。それぞれどんな表現に適しているか試しながら、自分なりの使い方を習得していきたい

上田:ポンポンポン〜♪[点描していく]

藤:ポイントは、質感を出しながら、光の当たっている壁面と当たっていない壁面の差をはっきり出したり、壁と床の境目がくっきりするように影を入れて立体感を出していくことですね。新しいレイヤーを「乗算」モードにして作業すると、自然な暗さが生まれるので、空間ができてきます。

上田:こんな感じでしょうか!

藤:あ、床に質感が出てきましたね。木を描いたときのように、床の影もペンの色をときどき替えて作業すると、色に深みが出てきます。あとは、影を描き込んだ箇所を部分的に消しゴムツールで消すことで、ハイライトを入れましょう。立体感を出すことができます。床のタイルの目に沿って、少し消してみましょう。

上田:ふむふむ。床、できました!

ガラス面の映り込みの質感を出す

地道な作業にもねばり強く取り組む上田。写真をもとに描き出した作品ですが、徐々に画面上に上田の作風が見えてきました。

藤:では、これが本日最後。窓ガラスの質感を出します。もとにしている写真には様々なものが映り込んでいるのですが、これをそのままきっちり描くというよりは、この光の反射の全体像を描くつもりで臨みましょう。新規レイヤーを「加算」モードにして、水色系のペンで描くといいと思います。太めのペンで大きく描いてみてください。

上田:こんな感じですか?

藤:はい、思い切りよく描いてください。はみ出したところはあとから消せば大丈夫です。最後は、レイヤーの透明度を調整して消しゴムで部分的に消すと、そこに人影が映っているようになります。

レイヤー全体の透明度を調整して、ガラスに映り込んだ風景をうっすら表示させる

開発:ほぉ〜〜〜

上田:へぇ〜〜〜。できあがってきました!

藤:次回は、人物の描画ですね。

上田:はい。あと2回、がんばります!

第10回の講座内容を上田麗奈が動画でおさらい!

第10回「背景編」のイベントファイルを早回しで再生しながら、上田麗奈と藤ちょこ先生が、おさらいします。

PROFILE
うえだ・れいな 富山県生まれ。声優。第5回81オーディション特別賞・小学館賞、第9回声優アワード新人女優賞受賞。アニメ「Dimension W」(2016年、百合崎ミラ役)などに出演。12月21日には、ミニアルバム「RefRain」にて歌手デビューする。特技は水彩画・ボールペン画、趣味は掃除。

ふじちょこ 千葉県出身、東京都在住のイラストレーター。ライトノベルの挿絵やカードゲームのイラストを中心に活動中。「openCanvas」のメインビジュアルを担当。「賢者の弟子を名乗る賢者」「八男って、それはないでしょう!」挿絵、「カードファイト!!ヴァンガード」カードイラストなど。BNN新社より画集「極彩少女世界」発売中。pixiv:藤原 27517  Twitter:@fuzichoco  公式サイト:http://fuzichoco.com

ペイントソフト openCanvas パッケージ版

information

価格:【パッケージ版】通常版 6,800円(税抜)/ガイドブック付き 7,800円(税抜)
【ダウンロード版】通常版 5,370円(税抜)
URL:http://store.junglejapan.com/ext/oc/

動作環境(※詳細はメーカーのホームページでご確認ください。)
OS:Windows Vista Service Pack2、Windows 7 Service Pack1、Windows 8/8.1、Windows 10
HDD:インストール用に10MB以上の空き容量(画像の保存、作業領域用に2GB以上の空き容量を推奨)
CPU:SSE2に対応するx86互換プロセッサ
メモリ容量:OSが推奨するメモリ容量(32bitは4GB、64bitは8GB以上を推奨)
ディスプレイ:1024×768、True Color(1280×768以上を推奨)
インターネット接続:アクティベーション(シリアルキーの認証)、自動アップデートにはPCのインターネット接続環境が必要
周辺機器:Wacomタブレットからの筆圧に対応、TabletPC APIに対応したタブレットPCからの筆圧に対応
入力対応フォーマット:BMP、JPEG、PNG、PSD、OCI(openCanvas形式)、WPB(openCanvas1.1形式)
入力対応フォーマット:BMP、JPEG、PNG、PSD、OCI(openCanvas形式)
「openCanvas」のご購入は、こちら!
 

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