×
NEWS / EXHIBITION - 2017.10.29

観客が演奏家となる「音楽のピクニック」。音楽家・小杉武久の軌跡をとらえる展覧会開催

音楽家・小杉武久の1950年代から現在までの活動を振り返る展覧会「小杉武久 音楽のピクニック」が兵庫県芦屋市立美術博物館で開催される。会期は2017年12月9日〜2018年2月12日。

横浜トリエンナーレ 演奏風景 2008

 小杉武久は1938年東京生まれの音楽家。1957年東京芸術大学音楽学部楽理科に入学し、在学中から現在に至るまで、作曲家・演奏家として約60年に渡って活動している。その活動は一貫して、ヨーロッパの伝統音楽の継承ではなく、既成の「音楽」という概念を拡張しようとするものだった。

 「グループ・音楽」や「タージ・マハル旅行団」といった集団即興演奏グループの結成、「マース・カニングハム舞踊団」への参加といった活動のほか、個人としても世界各地でのフェスティバルへの参加やコンサートを開催するとともに、サウンド・インスタレーションの発表なども行っており、近年では、「あいちトリエンナーレ 2016」に参加した。

タージ・マハル旅行団 1971

 本展は、小杉の約60年に渡る活動を俯瞰的にとらえようというもの。第1章から第4章では、その活動を「グループ・音楽から反音楽へ(1957〜1965)」、「フルクサスからインターメディアへ(1965〜1969)」、「タージ・マハル旅行団(1969〜1976)」、「マース・カニングハム舞踊団(1976〜)」といった4つの時期に分け、記録写真、チラシ、ポスター、プログラムなどのアーカイブ資料を展示。そして続く第5章「サウンド・インスタレーション(1963〜)」では小杉が発表してきたオーディオ・ビジュアル作品を展示する。

ライト・ミュージックⅡ 2015

 第5章で展示されるのは、鑑賞者の存在が作品に影響を与えるサウンド・インスタレーションとなっている。人間の耳には聞こえない高周波の音の発信機とラジオ受信機を天井から吊るし、周囲の扇風機の風や鑑賞者の起こす空気の流れによって、発信機と受信機の位置関係が変化し、可聴波が不確定的に生まれる《マノ・ダルマ,エレクトロニック》。そして、ソーラーパネルを電源とする電子音を発生させるオブジェを並べ、鑑賞者が作品に近づくと光を遮り電子音が変化する《ライト・ミュージックⅡ》。これらの作品は鑑賞者自身が演奏家となって参加する作品であり、いわば「音楽のピクニック」としての楽しみを与えるものとなっている。
 

information

小杉武久 音楽のピクニック

会期:2017年12月9日〜2018年2月12日
会場:芦屋市立美術博物館
住所:兵庫県芦屋市伊勢町12−25
電話番号:0797−38−5432
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
料金:一般 800円 / 大高生 500円 / 中学生以下無料
休館日:月(1月8日、2月12日は開館、1月9日休館)、年末年始(12月28日〜1月4日)

event

トークショー
日時:2017年12月23日 14:00〜
出演:高橋悠治(作曲家・ピアニスト)
聞き手:川崎弘二(電子音楽研究)
参加費:無料(ただし要観覧券)
定員:80名
※要事前申込み、応募者多数の場合抽選
 
対談
日時:2018年1月13日 14:00〜
出演:小杉武久(音楽家)✕藤本由紀夫(アーティスト)
参加費:無料(ただし要観覧券)
定員:80名
※要事前申込み、応募者多数の場合抽選
 
上映会
プログラム1「小杉武久 演奏記録」
日時:2018年1月27日 13:30〜
 
プログラム2「現代美術とのかかわり」
日時:2018年1月28日 13:30〜
 
プログラム3「PR映画・記録映画・科学映画」
日時:2018年2月10日 13:30〜
 
プログラム4「マース・カニングハム舞踊団」
日時:2018年2月11日 13:30〜
 
参加費:無料(ただし要観覧券)
定員:80名
 
担当学芸員によるギャラリートーク
日時:2017年12月16日、2018年2月3日 各日14:00〜
参加費:無料(ただし要観覧券)
 
※各イベント申込方法や詳細は芦屋市美術博物館ホームページにて

関連記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

美術手帖の最新情報を
お届けします