×
NEWS / EXHIBITION - 2017.10.23

激動の時代をアメリカで生きた2人の画家、国吉康雄と石垣栄太郎の足跡をたどる

戦前に移民としてアメリカに渡り、太平洋戦争を経ながら画家として活躍した国吉康雄と石垣栄太郎。2人の作品を紹介する展覧会が、和歌山県立近代美術館で開催されている。会期は12月24日まで。

国吉康雄 ここは私の遊び場 1947(昭和22) キャンバスに油彩 福武コレクション

 国吉康雄(1889〜1953)と石垣栄太郎(1893〜1958)は、それぞれ岡山県と和歌山県から、ともに十代で移民としてアメリカに渡った。様々な職に就きながら画家を目指していた2人は、美術学校で出会って以来親しい友人関係を結ぶ。

国吉康雄 ミスターエース 1952 キャンバスに油彩 福武コレクション

 国吉は、象徴的な画面に巧みにメッセージを忍ばせる作風でアメリカ画壇に認められ、戦後にはホイットニー美術館で現存画家として初の回顧展を開催。いっぽう石垣は、より直裁的な表現で生活や風俗を描き、また社会主義に傾倒するなかで同時代の様々な問題を作品によって告発した。彼らは太平洋戦争が始まると「敵性外国人」という立場に置かれたが、アメリカの自由と民主主義の理想を信じ、日本の軍国主義を批判する作品を発表した。

石垣栄太郎 人民戦線の人々 1936-37(昭和11-12)頃 キャンバスに油彩 和歌山県立近代美術館蔵

 それぞれ異なる作風ながら、2人の作品には、日本人移民排斥や大恐慌、戦争など激しく揺れ動くアメリカ社会で生きるうえでの複雑な思いが込められている。石垣の故郷である和歌山県で開催される本展は、2つの国の間で生きた2人の画家が、時代と社会に対してどのように向き合い、作品を残したのかを改めて考える機会となるだろう。

石垣栄太郎 ボーナス・マーチ 1932 キャンバスに油彩 和歌山県立近代美術館蔵

information

特別展「アメリカへ渡った二人 国吉康雄と石垣栄太郎」

会期:2017年10月7日〜12月24日
会場:和歌山県立近代美術館
住所:和歌山県和歌山市吹上1-4-14
電話番号:073-436-8690
開館時間:9:30〜17:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(10月9日は開館し10月10日が休館)
料金:一般 700円 / 大学生 400円 / 高校生以下・65歳以上 無料

event

講演会「包囲された人々:石垣栄太郎と国吉康雄の身体表現」
日時:2017年10月14日 14:00〜(13:30開場)
会場:和歌山県立近代美術館 2階ホール
講師:王士圃(カリフォルニア大学マーセド校准教授)
定員:120名(先着順)
 
国吉康雄検証ドキュメンタリー「国吉を誤解している日本・忘れたアメリカ」上映会
日時:2017年11月19日、12月3日 14:00〜(13:30開場)
会場:和歌山県立近代美術館 2階ホール
定員:120名(先着順)
 
ワークショップ「見て、描いて、国吉康雄」
日時:2017年12月10日 13:00〜
ナビゲーション:岡山大学大学院教育学研究科美術教育コース
対象:高校生以上
申込:事前申込制
 
※その他関連イベントを多数開催予定。詳細や申込方法は、和歌山県立近代美術館ウェブサイトを参照

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

美術手帖の最新情報を
お届けします