2017.8.23

4名のアーティストが「もの」の認識を問い直す。「Object manipulation」展開催

今津景、新津保建秀、野沢裕、森千裕の4名が、東京・恵比寿のstatementsで「物体」に焦点を当てたグループ展を開催している。会期は9月10日まで。

野沢裕 L-2017 2017 サイズ可変 Images courtesy of artist

 「物体」や「物」に焦点を当て、私たちが普段どのようにものを認識し、接しているのかを問う本展。タイトルの「Object manipulation」は、ジャグリングを拡大解釈した用語で、直訳すると「物体を巧妙に扱う」や「物体を操作する」といった意味となる。出展作家は、今津景、新津保建秀、野沢裕、森千裕の4名。

 今津は、古代エジプト時代に描かれた壁画から現代のスポーツ衣類メーカーのロゴに至るまで、人類が記録してきた膨大な画像データをもとに絵画を制作。本展では最新作を展示する。

 フォトグラファーとしても活動する新津保は、インターネット上に公開されている画像や情報がパソコン画面に表示されるまでのわずかな間を画面キャプチャーで捉えた「\landscape」のシリーズを展開。ウェブを介した世界の認識を再考する。

 写真を中心に、複数の時間や空間が重なり合うような作品を制作してきた野沢は、今回は入れ子状に展開される「同語反復」をテーマとし、そのなかでものがどのように存在し、認識されるのかについての考察を試みる。

 また、森は、身近なものや自身の観念的な世界に存在しているものを対象に絵画を制作。世間一般に共有される客観的なもののあり方よりも、個人的な経験から表象化されてきたものを描くことで、新たなもののあり方を提案する。