2017.7.30

アーティストと書き手がつくる表現の場「引込線 2017」が所沢で開催

今年で6回目を迎える美術展「引込線 2017」が、埼玉県所沢市で開催。会期は8月26日〜9月24日(火・水曜は休場)。

前回展会場風景(2015) 撮影=加藤健
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 本展の会場である埼玉県所沢市は、1974年〜76年に開催された「滝の城跡公園彫刻展」をはじめとして、美術家たちの実験的な自主展覧会を受け入れてきた歴史をもつ。「引込線」は、こうした展覧会の一環である「所沢ビエンナーレ美術展<引込線>」(2008年〜)を前身とした美術展で、今年で6回目となる。

前回展会場風景(2015) 撮影=加藤健

 一般的な美術展とは異なり、統一的なテーマやディレクションが存在しない本展。かわりに、さまざまな分野で活躍する作り手20名と、批評をはじめとした書き手16名が、表現の場を一からつくりあげていく。

前回展会場風景(2015) 撮影=加藤健

 本展は、元学校給食センターという、美術館でもギャラリーでもないオルタナティブ・スペースを会場とし、展覧会後には「もう一つの表現の場」としての書籍を発行。さらに会期中には、公開制作やシンポジウムなど、執筆陣と美術家による多種多様なイベントが予定されている。参加美術作家と参加執筆者は以下のとおり。

参加美術作家(20名)

伊藤誠、うしお、遠藤利克、大久保あり、大野綾子、川村元紀、構想計画所、近藤恵介、末永史尚、高嶋晋一+中川周 寺内曜子、戸田祥子、冨井大裕、中野浩二、二藤建人、blanClass、水谷一、箕輪亜希子、村田峰紀、吉川陽一郎

参加執筆者(16名)

阿部真弓、荒川徹、粟田大輔、池野絢子、石川卓磨、上崎千、勝俣涼、柄沢祐輔、木原進、中尾拓哉、中島水緒、林卓行、前山裕司、松井勝正、峯村敏明、柳澤田実

前回展会場風景(2015) 撮影=加藤健

 強固な作品世界をもつ36人の参加者が集まった本展。ディレクションなしに、「この場・この現実」に向き合った表現者による緊張感ある美術展に、足を運んでみてはいかがだろう。